第69回横浜能
主催:横浜能楽堂 横浜能楽連盟
午後2時開演(開場 午後1時)
【チケット料金】S席4500円/A席4000円/B席3500円
【チケット販売】令和4年3月12日(土)正午より(初日は電話・WEBのみ)
お問い合わせ先
横浜能楽堂
演 目
狂言「舟渡聟」和泉流
能「田村 替装束」観世流
あらすじ
狂言「舟渡聟」
聟は聟入り(夫が結婚後に初めて妻の実家に挨拶にいく儀式)のため、土産の酒樽を持って舅の家に向かい、道中で渡し舟に乗ります。無類の酒好きだった渡守は、聟の持つ酒樽に目を付け、一杯振舞うようにと所望します。聟がそれを断ると、渡守は漕ぐのを止めたり、乱暴に漕いだりと何とかして酒を呑もうと強請ります。聟が仕方なく酒を呑ませると、渡守は杯を重ね、酒は残り少なくなってしまいます。
聟はすっかり軽くなった酒樽を持って舅宅を訪ね、留守にしていた舅の帰りを待っていますと・・・・・・・
能「田村」
春の頃、東国の旅僧が都へ上り、清水寺を訪れます。僧が桜の盛りに見とれていると、箒で木陰を掃き清めている童子と出会います。童子は、地主権現に仕える花守と言い、坂上田村麿の祈願によって建立されたという清水寺の来歴を語りますさらに童子が清閑寺や今熊野などの周囲の名所を教えるうちに日が暮れ、折から月の輝きが花の梢に映え、美しい春宵の風情を楽しみます。僧は、ただ人でない様子の童子を不思議に思い、その名を尋ねますが、童子は答えないまま田村堂へ入り姿を消します。
残された僧の前に清水寺門前の者が現れ、清水寺の縁起を語り、童子は田村麿の化身だろうと告げ、回向を勧めます。僧が夜通し法華経を読誦すると、武者姿の田村麿の霊が現れます。田村麿は、鈴鹿山の逆賊を討伐し、天下泰平の御代にせよという宣旨を受け、出発前に軍勢を率いてこの観音の仏前で祈念したところ、瑞験にあったと語ります。そして、見事に朝敵を討ち果たした有様を見せ、これは観音の仏力によるものだと結びます。
武将を主人公とした修羅能ですが、春の叙景と観音の霊験譚を中心に、勝ち軍の話(勝修羅)を描いているため、戦特有の悲壮感はなく、祝言的な色彩をもつ能となっています。
横浜能は昭和28年に第1回が開催されて以来、半世紀にわたり市内の能楽愛好者団体である横浜能楽連盟が中心になって開催してきた催しです。